
ここ最近、インターネットの広告や家電量販店での勧誘でよく耳にする「光コラボ」。これまでとは異なる新しい仕組みの契約と言われていますが、正直よく分からないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、光コラボが気になっているけどよく分からないという方のために、契約をする前に必ず確認しておきたい光コラボの基礎知識から、そのメリットとデメリット、主要な光コラボ事業者の比較まで分かりやすく解説していきます。
光コラボの基礎知識について
それではまず光コラボの基礎知識として、光コラボとはなにかということから始めて、光コラボが生まれた背景、乗り換える際のメリットとデメリットについてご紹介していきます。
そもそも光コラボとはなにか
光コラボは「光コラボレーション」の略称です。光コラボレーションとは、NTT東日本・NTT西日本が提供しているフレッツ光を各事業者が請け負い、速度や品質はそのままに独自のキャンペーンや施策をプラスした新しいスタイルのブロードバンドです。
なお、光コラボの提供認可を受けた事業者のことを、文字通り「光コラボ事業者」と呼びます。2015年2月のサービス開始以降、これまでで約400社前後の事業者から提供されるようになりました。
フレッツ光が主流だった当時は、NTTとユーザーで光回線の契約を取り結び、インターネット接続事業者であるプロバイダーを別に契約する必要がありました。つまり、従来の方式ではユーザーはNTTとプロバイダー事業者という二つの会社と契約をする必要があったのです。
しかし、光コラボのシステムが始まって以降、ユーザーはその事業者とだけ契約を結べば光回線とプロバイダーをワンセットで契約できるようになりました。したがって、光コラボとは、高速の光回線を利用する上で複雑だった従来の契約をシンプルにできる新しい仕組みと言えるでしょう。
光コラボが生まれた背景
それではなぜ光コラボというシステムが生まれたのでしょうか。光コラボが生まれた背景には、インターネット環境を取り巻く時代の変化が大きく関わっています。
日本の光回線は、その普及率・品質ともに世界一と言われています。NTTグループのNTT東日本・NTT西日本は、かねてから光ブロードバンドのサービスで自社展開してきました。しかし、光回線の普及にともない市場が飽和化し、契約数は徐々に伸び悩むように。さらに最近では、ポケットWi-Fiの高速化やスマホの普及が急激に広まっており、光回線を必要としないライトユーザー層が増えたことも、契約数鈍化の大きな原因のひとつとなっています。
このようなインターネット環境を取り巻く急激な変化に対応すべく、NTTはフレッツ光の回線を認可を受けた事業者に卸売りすることにしました。つまり、幅広い業者に協力を求めることで、光回線の契約数アップに向けた施策をとることにしたのです。
また、光回線の契約数低迷という要因以外にも、光コラボの誕生を促す要因があります。それが、同じくNTTグループの携帯電話部門であるNTTドコモのシェア減少です。
昨今、auやソフトバンクの勢いは無視できないものとなっており、ドコモのシェアは年々下回っています。そこでNTTは、ドコモの携帯電話回線とNTT東西のブロードバンド回線をセットで販売することで、競合他社への顧客流出を防ごうと意図しました。
こう聞くと、光コラボの事業者として、現在「ドコモ光」を販売しているNTTドコモにだけ取り扱い許可を与えればよさそうですが、光コラボ事業者の対象としてNTTドコモだけを認可すれば独占禁止法に抵触する恐れがあります。そのため、ほかの事業者にも広く認可を与えたのです。
このように、NTTは従来の「NTT→お客様」という光回線の販売戦略から「NTT→光コラボ事業者→お客様」へと販売チャネルを多角化することで、インターネット環境を取り巻く大きな変化に対応していったのです。
光コラボに乗り換えるメリットとデメリット
光コラボのサービスは料金的なメリットが大きく魅力的に見えますが、現在の利用環境によってはデメリットになる可能性もあるので注意が必要です。
光コラボのメリット
【毎月の通信費を安くできる可能性が高い】
光コラボにする最大のメリットは、フレッツ光の契約とプロバイダーの契約を一本化できること。そのため、別々に契約するよりも月額利用料金が安くなる可能性があり、平均して500円〜2,000円前後の値下げを実現できるとされています。
また、携帯電話とのセット値引きを特典とする光コラボ事業者と契約すれば、毎月の携帯電話料金も下げることが可能です。家計を圧迫する通信費全体を下げることも期待できるでしょう。
光コラボのデメリット
【固定電話を使っている場合には番号が変わる可能性がある】
フレッツ光で固定電話(ひかり電話)を使っている人が光コラボに切り替える場合、注意が必要です。
現在の光コラボのシステムでは、光コラボに切り替えてからほかの光コラボ事業者に乗り換える場合、固定電話の番号を直接移行することはできません。例えば、ドコモ光で固定電話を使っているユーザーがソフトバンク光に乗り換える場合には、番号の移行ができないのです。
また、固定電話を使っていないユーザーも、コラボ事業者を乗り換える場合には、解約して改めて回線工事をしないといけないケースも多いので注意が必要です。
主要な光コラボ事業者の比較
さてそれでは、現在400社前後の提供事業者を誇る光コラボを選ぶ場合、具体的にどのような基準で選べば良いのでしょうか。
ここでは、主要な光コラボ事業者について比較してながらご紹介していきます。
ドコモ光
光コラボを検討している方が始めに考えるのは、自分または家族がどこの携帯電話会社と契約をしているかということです。
ドコモのスマホユーザーであれば、光コラボはやはりドコモ光がおすすめです。家族でパケット通信量を分け合える「シェアパック」に入っていれば、パケット通信量の大きさに応じて、毎月携帯電話の料金に割引が適用されます。
例えば家族で10GBの通信量を分け合える「シェアパック10」に加入していれば「セット割り」によって毎月1,200円の割引が適用されます。また、長期ユーザーの割合が多いNTTドコモでは、ドコモ携帯の利用年数に応じて「ずっとドコモ割」という長期ユーザー向けのキャンペーンがあり、10年以上使っているユーザーであれば、セット割りとは別に毎月800円の割引が適用されます。
割引の金額などは異なりますが、ドコモのスマホを使っているのが自分だけと単身の方でも割引の特典を受けられるので、ドコモのスマホユーザーであればドコモ光が最も無難でしょう。
ソフトバンク光
同じ理由で、ソフトバンクスマホを使っていればソフトバンク光が最も割引の恩恵を受けることができるでしょう。ソフトバンク光はドコモよりもシンプルで、「データ定額パック5GB」を使っていれば毎月1,522円(2年間限定で3年目以降1,008円)の割引を受けられます。
ドコモ光とは違って、ソフトバンク光は指定のプランで契約している台数分の割引が受けられるので、契約台数が多くなればなるほど割引の特典は大きくなります。
→ソフトバンク光 キャンペーンと評判口コミ【契約者たちのリアル】
光コラボで毎月の通信費の負担を減らそう
さて、今回は光コラボの基本的なポイントについてご紹介してきました。光コラボは、慎重に考えて乗り換えれば毎月の通信コストを抑えることができる新しいタイプのプランです。
なんとなくお得になることは分かっているけど、めんどくさくて切り替えていないと言う方も、毎月の通信費を見直すという意味で光コラボへの切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。